ゲスト
寺原太郎
マハラジャ達を魅了した癒しの旋律
インド古典音楽ラーガの世界
バーンスリー奏者
てらはら たろう
バーンスリー奏者。
92年より巨匠ハリ・プラサード・チョウラスィア師の弟子である中川博志氏に、96年より巨匠ニキル・ベナルジー師の愛弟子H.アミット・ロイ氏に師事。
06年より継続的にオーストラリアWoodford folk festivalに出演。
07年坂本龍一プロデュース「ロハス・クラシックコンサート」、11年以降「Indian Classics Tokyo」に出演。チベット人シンガーのテンジン・チョーギャル、タブラ奏者U-zhaan、ウード奏者常味裕司らと競演多数。インド、オーストラリア、南米、北米をはじめ国内外で演奏活動を行う。インド古典音楽の深い理解に基づく、叙情的かつダイナミックな演奏で、各方面より高い評価を受ける。
【CD】
「Air」北インド古典音楽 寺原太郎(バーンスリー)、Pt.アニンド・チャタルジー(タブラ)
「Mist」北インド古典音楽 寺原太郎(バーンスリー)、Pt.アニンド・チャタルジー(タブラ)
「Deep」北インド古典音楽 寺原太郎(バーンスリー)、シェン・フリンデル(タブラ)
「Snow Lion」チベット人シンガーテンジン・チョーギャルと寺原太郎のデュオCD
他
【映画、舞台(挿入曲演奏)】
アニメ映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ永遠に」(2011)
映画「るろうに剣心」(2012、2014)
映画「Bringing Tibet Home」(2014)
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」(2015)
他
ホームページ
http://srgmtaro.jimdo.com/
【無料演奏】「バーンスリーとタンブーラによる北インド古典音楽」11:30~12:00
【インド音楽について】
インド古典音楽の起源は古く、声明のルーツでもある紀元前のヴェーダの詠唱に端を発します。
13世紀頃、それまであったインド文化と流入してきたペルシャ文化との融合によって、ムガル帝国の宮殿で華ひらいた宮廷音楽が北インド古典音楽。そして帝国の支配を逃れて古来よりのヒンドゥーの神々への信仰を継承発展させたのが南インド古典音楽です。
神々に捧げ、マハラジャたちを癒し、眠りを包みこんできたインド古典音楽は、叙情的かつ官能的な、究極の癒し音楽と言えるでしょう。
優れた楽師や舞踊家を抱えることは皇帝やマハラジャ達の権威を示す贅沢な趣味でもあり、音楽家たちは王の庇護の下、生まれてから死ぬまでただひたすらに、神秘なる音の技により世界の謎を解きほぐすべく精進を続けていきました。
そのようにして発展したインド古典音楽には、西洋の古典音楽と比べて興味深い点がいくつかあります。
ひとつには、古典音楽でありながら音楽はすべて即興で演奏されるということ。
ふたつめは、季節や時間によって演奏されるべき音が決まっているということ。
インド音楽の演奏者は、季節や気候、演奏される時間帯や会場の雰囲気等によって、その日演奏するラーガを定め、そのラーガに基づいて即興演奏を繰り広げます。長い時では、ひとつの即興演奏が2~3時間に及ぶこともあります。
そんなインド音楽のさまざまなラーガの世界を、実演を交えて紹介いたします。
【演奏楽器】
バーンスリー
神話時代より親しまれてきたインドの竹の横笛。古典演奏で使われるものは長さが70cmから80cmあり、精妙で深い音色と表現を特徴とする。
タンブーラー
ミヤーンミヤーンと倍音の多い通奏低音を奏でる伴奏専門の弦楽器。音楽の背景を彩る。目立った活躍はしないが、この楽器の音が鳴るだけでインドの空気がかもしだされる。