ゲスト
桂佑輔
「世界に四十人しかいない!?」日本の古典劇「新派」の若手俳優にして、新進気鋭の舞台演出家
PRAY▶代表,翻訳家,演出家,新派俳優
【桂佑輔(けいゆうすけ)/プロフィール】
開成高校、慶應義塾大学文学部卒。
在学中から舞台活動をはじめ、文学座付属演劇研究所に学ぶ。小劇場をホームベースに活動し、平成24年、坂東玉三郎主演「ふるあめりかに袖はぬらさじ」「日本橋」に抜擢を受け出演。その中で、明治時代に日本で生まれた演劇の一派であり様式美とリアルさを両立する新派劇に魅せられ、新派劇を上演する世界で唯一の団体である松竹傘下劇団新派に入団。
新橋演舞場や国立劇場、大阪松竹座や京都南座はじめ、新派内外にとどまらず年間多数の舞台に出演。
西洋演劇の素養を持ちながら日本の「古典演劇」に身を置く稀有な存在であることを生かし、平成30年、「どん底」(作、マクシム・ゴーリキー)にて初演出。東西の手法を練り合わせた、古典に依りつつも新しい演出が話題を呼び、全公演全席完売となる。
「紡ぐ、演劇」を掲げ、令和元年にPRAY▶を設立、本年11月にギリシャ悲劇の大河ドラマである大作「グリークス」(作、ジョン・バートン、ケネス・カヴァンダー)にて、翻訳演出をし旗揚げ公演に挑む。
数千年前、星を見上げ「天災や運命や感情など、人の力では抗えない大きな力」に立ち向かおうとした人々に思いを馳せ、秋月瞳より西洋占星術を教授される。株式会社リブラhttp://www.libra-tokyo.co.jp/にて表現力の講師も担当。
【無料講演】舞台は、表現は、癒しは世界を救えるか
星にむかって祈りつぶやく人がいた。そして、それをみている人がいた。
願う人がいて、観客がいる。それが舞台のはじまりなのだそうです。
例えば西洋でいえばギリシャ悲劇は、酒の神に捧げる祭典での出し物でした。
例えば日本では、古事記にある岩戸にお隠れになったアマテラスオオカミを誘い出すアメノウズメの踊りが原点といわれています。
天災や病気や運命や、あるいは愛や怒り、夜の闇・・・現代よりもっと「人が抗うことの出来ない大きな力」にあふれていた頃、波乱にゆれる波間に訪れる一時の平穏の中で、「劇場」におとずれた人々は、愛をもって幸せを願ったに違いありません。
そして時代は進みます。
演劇もまた社会との関わりの中で変化してきました。
娯楽なのか、主張なのか、芸術なのか、文学なのか、、、
ただ一つだけはっきり言えることは、
「究極的に言ってしまえば、なくても社会は成立する」
ということです。
全てが満たされて成熟した完璧な社会や人に、舞台は必要ありません。
この「必要のないもの」が、世界にどのように作用しうるのかについて「癒し」をテーマにお話させていただきます。
日時:8/18(日)16:00~17:00
参加料:無料