西洋占星術の重鎮が語る、幸福な生き方
「幸福とは我を忘れることのできる時間が持てること」というルネ・ヴァン・ダール・ワタナベさん。確かに熱中をして何かに没頭しているときは時間が立つのも早いですよね。反対に自分に固執しているときは欲にさいなまれて苦しいもの。先日、乗り合わせたタクシーの運転手さんからこんなお話を聞きました。
その初老の男性は会社経営をされていたそうです。株や不動産投資にも手を出しお金も潤沢にまわり、妻のこともかえりみない日々。しかし、会社は倒産、残ったのは借金だけ。そう、奥様は「あなたとは苦労はともにできないわ」と言い、去ってしまったのです。「いやぁ、好き放題してたからね。やることもなくてタクシーの運転手になったけど、続かないよ、甘い気持ちじゃ」。すべてが面倒くさくなり、お金をかき集め逃げるようにカンボジアやインドへ放浪の旅に。そこで出会ったのが身寄りのない子どもたちの世話をしている日本人僧侶でした。「その施設でボランティアをしたんだよ。それがなかったら今の自分があるかどうか。あれは癖になるね。ぜひやってみてよ、ボランティア」。彼はそこで何かのスイッチが入ったらしく、帰国後は地道にタクシー乗務員の仕事に精を出しているとのこと。
お話から感じたのは、利他の心。ボランティアをしていた間は、意識が自己から他者へと移行し、求めても得られない苦しみからも開放されていたのでは? 先生がおっしゃるところの「我を忘れることのできる時間」だったのでしょう。
今回、ルネ先生がお話くださるのは、本当の自分を知るということや、絶対的肯定感だそうです。星という宇宙からのメッセージを紐解き伝え続けてきたルネ先生のコラムには哲学者のような深遠さが感じられます。一方で、○人の話は、口を挟まず最後まで傾聴すること ○声の調節が適切かどうか。語調が高圧的でないかどうか考えること……など、人の悩みに耳を傾けるプロフェッショナルだからこそ、というアドバイスもありました(耳の痛い限りです)。
「人は誰しも宇宙に祝福をされこの世に生まれ、幸せにある権利を持っているのです」。事務局に来た先生からのメールにはそう書いてありました。聞くだけで癒されるようなお話を、この機会にぜひ聞いてみてください。
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